Compact Disc
EASY ACTION - EARS041 (2011)
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ホークウィンドの初期黄金期のピークを迎えた72年は、EMIから07年にGREASY TRUCKERS PARTYの完全収録版、10年にBBCのライブ収録音源AT THE BBCなどの発掘音源がリリースされ、72年の音源がかなり充実してきました。
そこに追い討ちをかけるかのように同じく72年の発掘音源がリリースされました。リリースはバンドやEMIによるものではなく、音源を発掘したレーベルEasy Actionによるもの。リリースに伴いEMI経由でバンド側の許可を得ています。収録は72年1月27日ケンブリッジ。THE SIX HOUR TECHNICOLOR DREAMというフェスに出演した時の模様です。その17日後には前述のGREASY TRUCKERS PARTYが開催されるのですが、その間にドラマーがテリー・オリスからサイモン・キングに変わっています。演奏曲目は同時期ということでGREASY TRUCKERSと一緒ですが、オリスの脱退寸前の演奏という点で貴重な音源です。音質は時代を考えると良い部類。一部音が左右で不安定になるところがありますが、ステレオで全体的にはまずまず。
オープニングのナレーションTechnicians Of Spaceship Earthは冒頭部分が最初から収録されておらず、途中から始まります。
Do Thatはアルバムのイメージに近くひたすら反復、うねうねギターやレミーのドライブするベースというパターン。オリスはフィルインやオカズは少なめ、スネアやタムを高めの音にチューニングしているのが特徴的。全体にクリアなサウンドですがバンド演奏が激しくなってくると電子音はかき消されてあまり聞こえません。
Awakeningはカルバート朗読、そのままDreamingに繋がります。シンセのノイズと渾然一体となった幻覚的な演奏。
ソリッドなギターカッティングで始まるのはショーのハイライトMaster of The Universe。10分近い白熱の演奏。
終了とともにベースによるParanoiaのフレーズ。この頃は1st、2ndアルバムだけですので、レパートリーはその2枚からが中心。
朗読のEarth Calling挟んで、Silver Machine。のちのラウンドハウスに比較してカルバートのボーカルは割としっかりしています。このSilver Machineはすでに昨年から演目に入っていました。
アンコールと記載されているBorn To Goは序盤3分ほど即興めいた演奏をした後スタートします。こちらもかなり熱の入った演奏が展開されます。
ホークウインドのライブ音源としては72年初頭という点で、公式ライブアルバムでは最初期ということで貴重。
それより以前になるとブートのTHE TEXT OF FESTIVALSには70年、71年あたりの音源、また管理人は71年12月6日のブートレグを所有しています。演目はこのLEAVE NO STARと同じですが、そちらは最後に25分に渡るジャムセッションが演奏されています。
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2018/04/06 update