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ホークウィンド・デイズ・コラム

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IQ / TALES FROM A DARK CHRISTMAS
JADIS / MORE THAN MEETS THE EYE 25

2018年3月21日

管理人はロックに目覚めた時からプログレッシャーですので、ホークス以外では現在もプログレバンド中心に聴いています。現在も活動しているバンドで今もリリースを楽しみにしているバンドを紹介します。

管理人は70年代後半から90年代にかけてのプログレ衰退期を過ごしてきましたが、90年代半ばになるとインターネットの普及などもあり、多くのプログレバンドが復活の機会を得て活発化、現在に続いているという見方をしています。
80年代はプログレファンには特に厳しい時期だったのですが、その中で我らがホークウインドは85年の黒剣をピークに大量のリリースで活躍していました。また70年代から注目していたラッシュも元気がありましたし、それ以外ではポンプロック勢にも注目していました。代表格のマリリオンにしても、IQにしてもデビュー当初は、あまりの物真似っぷりに飽きれましたが、年を追うごとにオリジナリティの萌芽と質の向上を果たしてきた感があります。ここ数年はマリリオンがプログレらしさを減少していますが、その点でいまだに王道を突き進んでるIQ、その一派であるジャディスの最近のリリースはとても楽しんでいます。

IQ Tales From A Dark Chiristmas
IQ / TALES FROM A DARK CHRISTMAS (2017)

IQはボーカルのニコルズが抜けた時期は多少迷いもありましたが、彼の復帰後は作品ごとに完成度をあげています。2014年にスタジオ作THE ROAD OF BONES、2016年にそのライブLIVE ON THE ROAD OF BONESをリリース。相変わらずの重厚な世界観を提示していますが、昨年末リリースされたファン向け通販限定リリースのクリスマスアルバムTALES FROM A DARK CHRISTMAS、初期のジャケのしょぼさを彷彿させるボーカルのニコルズによるイラストカバーですが、内容は大真面目な力作。クリスマスの夜を彩る寓話のような楽曲が6曲収録。内1曲は20分になる大作。シリアスで重いレギュラー作品に対して、クリスマス的な楽しさやドリーミーなテイストもあり、肩の力を抜きながらも深みのある作品となっています。変拍子で突き進み、ブリッジでドラマチックにメロディアスな主題へ、シンセベースにオルガンやコーラス、ストリングスの重厚な壁をバックにギターソロ、ボーカルのサビ、定番なんですがやっぱり良いです。度重なるメンバーチェンジを経て、結局1stアルバムのメンバー(keyのオーフォード除く)に落ち着いているという点も実に良い。
唯一IQに復帰しないオーフォードは音楽業界から身を引くと宣言したものの何故かジャディスには完全復帰。彼は定評ある素晴らしいプレイヤーでそれは嬉しい復帰でした。そのジャディスも着実に活動を続け2016年の新作NO FEAR OF LOOKING DOWNに続きメジャーデビューアルバムの25周年記念版をリリース。オリジナルアルバムはギター&ボーカルのチャンドラーとドラムスのクリスティに当時IQのベーシストだったジョウィットとオーフォードの4ピースによる作品。美しい旋律が溢れた印象的な作品でとても好きですが、今回のリミックスでは各楽器の張り出し感を強く、元の構築的なサウンドから演奏の輪郭がはっきりしたデッド寄りのサウンドになっています。ボーナスディスクには新録のアコースティックバージョン、当時のライブテイクなどが収められています。他にあまり例を見ないギター中心の爽やかなプログレ、部分的にセバスチャン・ハーディーなところもありますが、やはりブリティッシュ・プログレの血統を感じる音ですね。エンディングのThis Changing Facesのアコースティックバージョンは感涙もの。

JADIS More Than Meets The Eye 25
JADIS / MORE THAN MEETS THE EYE 25 (2018)
オリジナルメンバー4人の直筆サイン。


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