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奥本亮『ザ・ミス・オブ・ザ・モストロファス~神獣伝説』

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奥本亮『ザ・ミス・オブ・ザ・モストロファス』
INSIDE OUT MUSIC - IOM630 (2022)
国内盤 ソニー・ミュージックレーベルズ - SICP31547 (2022)

8年ぶりの新作は現在のSBの充実同様、高品質なプログレ

UKのバンド「アイ・アム・ザ・マニック・ホエール』のマイケル・ホワイトマンが全面的に キーボード奏者としての腕や幅広い音楽性からの作曲、演奏力のレベルを実感する最新作。ハードプログレとして素晴らしいものでした。長年にわたる活動から参加メンバーもスポックスの新旧メンバーをはじめ、奥本が参加しているProgJectのジョナサン・ムーヴァー(Dr)やマーク・ボニーラ(G)が参加、その他スティーヴ・ハケット、マイク・ケネリーなどのギタリスト、や中西敏弘(Vn)らも参加しています。これまでのソロではR&B、ジャズ、フージョンなどの経験してきた音楽性が感じられる選曲でしたが、この作品はスポックスに通じるハードプログレ色で統一している感があります。演奏は一級品、あちこちに美しいメロディがちりばめられていて、現在の奥本さんの充実ぶりが感じられる作品です。国内盤これほどの才能を発揮し海外で活躍しているアーティストなので、もっと評価されてしかるべし。この機会にこれまでの作品も紹介します。

これまでの作品

1stアルバム『ソリッド・ゴールド』(1980)
主にロンドンとLAでレコーディングされています。ロンドンはあのクマ・ハラダをはじめ、ジェフ・ベック関連のミュージシャン達が固めています。この時点でハードプログレの方向性は提示されていて、そこにクロスオーバーの要素も同居した幅広い音楽性が感じられます。すでに美しいメロディや多彩なキーボードが活躍するアレンジは確立されていてシンセのリフやソロプレイなどはプログレです。本人がリードボーカルも取っています。

奥本亮『ソリッド・ゴールド』
初盤 キャニオン/SEE・SAW - C25A0106 (1980)
VIVID SOUND - VSCD-3375 (2009)

2nd『メイキン・ロック』(1980)
上記の『ソリッド・ゴールド』のすぐ後に制作されたアルバム。TOTOのジェフ・ポーカロとスティーヴ・ルカサー、AIRPLAYのデヴィッド・フォスター、ジェイ・グレイドンなどが参加。レコーディングはあっという間にできてしまったそうで、この時LAのミュージシャン達の感性、技術力に相当感心したそうです。この経験がのちの渡米に繋がったとのこと。前作と同様の方向性を持ったハードロック+プログレな作品、LA制作で曲によってはAOR感のあるアレンジも。ルカサーのギターをたっぷりきくことができます。

奥本亮『メイキン・ロック』
初盤 キャニオン/SEE・SAW - C28R0053
VIVID SOUND - VSCD-3376 (2009)

『シンセサイザーのすべて』(1980)
上記2枚のソロアルバムに加えて、80年にはこの企画ものアルバムに参加。当時注目を浴びていたシンセサイザーを啓蒙、教則本的な意味合いもあり、シンセの販促も兼ねたアルバムでローランドが企画・監修しています。奥本により様々なシンセの使い方を追求した作編曲、演奏がされています。各曲のシンセでの制作過程を詳しく説明した解説書がつきます。奥本の幅広く柔軟な感性を感じます。アナログシンセ、シーケンサー、ドラムマシンを駆使した当時ならではの音色が楽しめます。

奥本亮『シンセサイザーのすべて』
キャニオン C20H0019C (1980)

『COMING THROUGH』(2002)
その後USに渡った奥本は様々なアーティストの演奏に参加、95年にはスポックス・ビアードに参加し2ndアルバム『ビウェア・オブ・ダークネス』(1996)からレギュラーメンバーとして参加。ニーズ・モーズなどスポックスのメンバーにその実力が認められたという点で凄いことですよね。2002年に満を持した4枚目のアルバム『COMING THROUGH』をリリース。N.モーズの協力、スポックス勢にS.ルカサーやボビー・キンボールのTOTO勢、サイモン・フィリップス、グレン・ヒューズなどの参加で、よりスケールアップ。S.フィリップスとのスリリングな即興演奏、また19分の長尺曲などプログレ感が高まっていました。奥本はN.モーズに対して多大なリスペクトを公言していましたが、奇しくもその年N.モーズのスポックス脱退が表明されました。メインメンバーを欠いたスポックスは奥本が一人でキーボードをカバー、ボーカルはニック・ディバージリオがカバーすることで活動を継続。以降も着実に歩み元エイジア勢のGPSに招聘されたり、自身のプロジェクトやGTRのJ.ムーヴァーとのProgJectなど複数のサイドプロジェクトでも活躍しています。

奥本亮『COMING THROUGH』
INSIDE OUT MUSIC - IOMCD 110 (2002)
国内盤 COOL SOUND - COAP-503 (2002)


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