Compact Disc
EMI - HAWKS 7 (2010)
CD1
In Concert (Mono Version) |
CD2
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EMIからのマニア向け企画アルバム、2007年のGREASY TRUCKERS PARTYのコンプリート盤に続き、同黄金期1972年のオンエアー用録音を収録した2CDセット。
CD1、最初の2トラックはDJジョニー・ウォーカーの番組用テイクで72年8月2日に録音され同年8月14日にOAされたもの。スタジオでの録音で音質は良いのですが、モノラル。Brainstormはギターのメジャーコードストロークに電子音というゆったりしたイントロがついています。ニックのリードボーカルがとても明瞭。5分半のショートバージョン、そしてヒット中のSilver Machine。モノラルとはいえシングルよりも音質が良いかもしれません。特にレミーのボーカルがキレイに録れています。メンバーはブロック、カルバート、ターナー、レミー、キング、ディックミック、デトマー。
In Concertはロンドン、パリスシアターでのギグのライブレコーディング。72年9月28日録音、OAは同年10月14日。CD1はOA用にミックスされたモノラル。ちょうどDOREMI FASOL LATIDOをレコーディングしている最中というタイミングでのライブです。SPACE RITUALツアーはこの2ヶ月後となりますが、そちらとの違いなども楽しめます。メンバーは先のジョニー・ウォーカーのセッション時からカルバートが抜けた6人にステイシア。
CountdownはDJのアンディ・ダンクレーが管制塔、ステイシアやブロックがホークウインド号の乗組員といった設定で演奏開始の合図。雰囲気があって、今聴いてもカッコいい導入部です。オープニングはBorn To Go。次がThe Black Corridorですので、そこへの繋ぎを意識して徐々にトーンダウンしていきます。The Black Corridorはニックの朗読、そのまま静かなムードで次のSeven By Sevenに展開。イントロがムーディな雰囲気。ボーカルはブロック。
そしてすでに定番となったBrainstorm、アルバムのレコーディングも進んでいる時期のため、完成形になっています。終盤テンポダウンし電子音やギターによる即興Electronic No. 1を挟んで、Master Of The Universe。ボーカルはターナー。最後の余韻も短く、Paranoiaの6拍子リフがはいってきます。呪術的にリフが繰り返され、電子音やパーカッション、ギターなど渾然一体となったノイズの嵐になります。この辺りのノイズによるトランス効果はSPACE RITUALには見られないムード。ノイズは少しおさまり、幽玄な響きのEarth Callingに移行。少し長めの3分。そしてトリは絶賛ブレイク中のSilver Machine。この後のSPACE RITUALツアーではセトリから外されるので、同メンバーによる正規ライブ音源として貴重。1コーラス目の後Aメロに戻るまでの間奏が引き伸ばされています。終了は定番のWelcome To The Future。
このCD1のパリスシアターのトラックがOAされたもので、過去にBBCがTRANSCRIPTION DISC(海外を含むラジオ各局向けにOA利用できる様に配布しているレコード)にもなりました。なお以前一度CD化され一般販売されています。
そしてCD2はそのライブ音源のステレオ版です。こちらもかつて2回ほどCD販売されていましたが、それらは非公式だったとのことで今回のリリースが正規初リリースとなります。以前のリリースではBrainstormの頭3分くらいが切れており途中から始まるのですが、今回も同様でここはマスター自体がその様な状況になっている様です。
SPACE RITUALと同年のライブであり、また異なったセトリでもあるので、ファンは押さえておきたいアルバムです。
・91年にリリースされたCD、BBC RADIO ONE LIVE IN CONCERTのレビュー
・発売時の当サイトのニュース記事
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2017/12/10 update