Compact Disc
EASTWORLD RECORDINGS - EW0101CD (2012)
Disc One
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Disc Two
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2012年4月発売。2010年のBLOOD OF THE EARTHに続くスタジオレコーディング、CD2枚組。レーベルも前作と同じEASTWORLD RECORDINGS。メンバーも前作と同じブロック、チャドウィック、ブレイク、ディブス、ホーン。ゲストとしてヒュー・ロイド・ラントン、故ジェイソン・ステュワート。サウンドは前作の延長上にありながら、より重厚でヘビーな方向に進みました。ついにチャートに返り咲き、全英75位、1993年のIT IS THE BUSINESS OF THE FUTURE TO BE DANGEROUSの75位以来のチャートインとなりました。
鐘の音、低く唸るスイープ音の短い冒頭に切れ込んで入る8ビートのリズムががいつになく重たいSeasonsからアルバムはスタート。作曲はディブス、ホーン、チャドウィックによるもので新しめのメンバーの個性を生かした曲。ベースとリードボーカルはディブス。続いてブロック、ホーン、チャドウィックによるThe Hills Have Ears。不安げなイントロからチャドウィックの高域を使ったリードボーカルに導かれて早いパッセージの主題へ。間奏はイントロと同じ不安なコードを奏でます。そこにゲスト参加のラントンのギターソロが繰り出されます。ベースはホーン。
一変してアコギがゆったりと演奏されるブロックの美しいエレクトリカルフォークMind Cut。アコギのバッキングの上でギターソロ、バックコーラスも爽やか。メジャーコード中心のたおやかな楽曲ですが、「戦争、恐れ、涙、犯罪」という歌詞にあるように、それらの現実に対して目を向けず心を閉ざしている現代人に警告するような歌詞です。
カルバートの寸劇を思わせるSystem Checkではディブス、ホーンにブレイクが今作初登場。電子音とボイスで次のDeath Trapのイントロの役割。リードボーカル&ベースはディブス。ギターはブロック。ホーンがシンセ、ブレイクがEMS電子音。本編で唯一の過去曲。
ネイティブなパーカッションをバックに幻想的なシンセサウンドと郷愁感のあるメロディ、ブレイク先生作Southern Cross。前年のオージーツアーの移動中、原野で眺めた南十字星の思い出を曲にしたもの。
メローなムードを保ったままブロック作The Prophecyが開始。美しいコード進行に乗せて歌うわれ、流れるようなギター、ストリングスのメロディが盛り上げます。ベースはホーン。
小曲Electric Tearsはギターとシンセのインスト。続くThe Drive Byもギター中心のインスト。これもブロックがギター、キーボード、ホーンがベースでチャドウィックがドラム。同時期にこの3人で制作していたHAWKWIND LIGHT ORCHESTRAと同じフォーメーション。
Disc2の最初Computer Cowardsはブロックとチャドウィックのみで制作されたトラック。ハードなリフに語りのようなボイス。ネット上でしか他者を批判できない人たちについての曲。小曲Howlling Moonはブロックのギターやベースで演奏されます。やはり不安感をあおるSEのイントロに続きブロックさんによる淡々としたベースソロで終了。
と思いきや、ボーナストラックRight To Decideがクロスフェードして明るく元気に。このテイクは40TH ANNIVERSARY PARTY COMMEMORATIVE CDのトラックと同じです。ブロック、チャドウィック、ディブス、ブレイク、ステュワートの演奏。
Aerospace Age、The Flowering Of The Roseは2008年のライブテイク。前曲と同じメンバー。後者はDamnation Alleyのインスト部分の進行のまま。いずれもステュワートのキーボードが良い感じでドライブ。
ボーナストラックは終了し、本編に戻って久々にブレイクのシンセソロが大活躍するTrans Air Trucking。
Deep Ventsは次曲のイントロ的小曲、そしてGreen Finned Demon。ホークウインドの公式サイトでフリーダウンロードできたトラックをベースに若干手を加えたもの。地味な曲ですがブロックさんがやたらに気に入ってる曲です。ここでのアレンジは一番派手。
最後は隠しトラックが入っています。割とハードな曲で、下降するフレーズが繰り返されディブスやブロックの語りが入ります。電子音が高鳴り5分ほどの演奏が終了するとシンセの様々なノイズや電子音がとりとめもなく2分ほど続きふいに終わります。
アルバム発売に伴うツアーを5〜6月に英国内で実施、その際サポートメンバーでかつてホークスに在籍したことがあるデッド・フレッド・リーヴスが参加。6人体制となります。ONWARDの楽曲に70年代の曲を織り交ぜたセットリストでした。
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2018/04/18 update