Compact Disc
SHELLSHOCK - LORDS1018 (2018)
前作SIXと同じ4人体制での制作。プロデュースはポール・サンプソンとジェリー・リチャーズ。前作と同じ方向性だが、今回はロックぽい躍動感やパワフルさを増した印象。従来のPro Toolsを使った制作に不満を感じていたリチャーズは、今作では一切クリック無しのライブなレコーディングを行い非常に満足しているとのこと。
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3部作の2作目、混乱した現代のための「平和」に関しての考察をテーマにしたもの。リチャーズはインタビューで現在の英国はディケンズの時代に向かってるとしか思えないと語っており、シリアスなカバーアートはスラムでの惨状とそれに相反する富裕層という現代の格差を反映したもの。
Devil In Your Head イントロからメロハー的なニュアンスを持ったテーマが示され進行しますが、すぐにスローテンポとなる中間部へ。ベースリフの上で朗読、電子音&ノイズが流れ、ギターソロと続き、リズムが戻ってAメロ。この印象的なオープナーで今作への期待が高まります。
Standing Still メロディアスな快速チューン。
Flight Path 2012年のWE ARE ONEに収録されていたFlightのセルフカバー。原曲のメローなニュアンスそのまま、よりギターを強調したアレンジ。
Listening For Life リズムに変化をつけたドラム、シンセによるメロディ、そしてボーカルパートはフェイズ処理が施されていますが、全体に美しい仕上がり。
Brave New World タイトル・ナンバーは10分に渡る曲で、リズムはアフリカン。シンセの壮大なコード進行が繰り返される中、様々な政治家のスローガンや講演などの音声が流されていきます。終盤ボーカルでWelcome the new worldと繰り返されます。
End Of The Line リチャーズがアルバム中最も気に入ってるという曲。サイケなニュアンスを持ったメジャーコード中心の鮮やかな曲。
A Walk In Albion 終曲はマイナーで憂鬱な曲。重いリズムが引きずるような印象を醸します。
リチャーズは重いテーマを扱っているが、内容は暗いだけなんてことはなく、おそらく今までのホウクローズのアルバムで最もカラフルで多面的な作品となったと語っていますが、その通りで作品ごとに進化し続けていると思います。
HAWKLORDS ディスコグラフィ
ホークウインド関連アーティスト
2019/12/31 update