Compact Disc / DVD
MERCURY/UNIVERSAL UMC - 374044-8 (2013)
DISC ONE
THE ORIGINAL ALBUM REMASTERERD
BONUS TRACKS
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DISC TWO
Live At Wembley 22nd July 1983
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DISC THREE
Live At Wembley 22nd July 1983
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DISC FOUR (DVD)
Live At Wembley 22nd July 1983
ADDITIONAL VISUAL CONTENT
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DISC FIVE (DVD)
CRISES 5.1 SURROUND MIX BY MIKE OLDFIELD
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アルバム『クライシス』発売30周年を記念してリリースされたボックスセット。83年のオリジナルアルバム『クライシス』のリマスターとそのサラウンド。リリース後のツアーのライブで構成されています。ディスク1は『クライシス』のリマスターとボーナストラック。オールドフィールド自身による5.1chサラウンド版はディスク5に収録。再構築されたサラウンド版はステレオ版では気付かなかった演奏や一部楽曲の開始と終了が異なるなど、再発見&新たな魅力を味わうこと歩ができます。大曲「クライシス」はもちろん「ムーンライト・シャドー」のサラウンドも聴けるのが嬉しい。改めてサイモン・フィリップスの強力なドラミングに圧倒されます。私のようにホークス好きでマイクも好きな人は必携のセットです。
注目のサイモン・ハウスが参加したライブですが、クレジットの通り83年7月ウエンブリー・アリーナでの演奏。5月から欧州ツアーを開始、その最終日となる本国でのコンサート。ディスク2、3にたっぷり収録されています。サイモン・フィリップスのドラム、パーカッションにピエール・モーレンという豪華リズム隊にベースはフィル・スポルディング。キーボードはグレーン・プリース、ギターはアンソニー・グレイン。ボーカルはマギー・ライリーとゲストでロジャー・チャップマン。ハウスはバイオリンをメインに時折キーボード、パーカッションを演奏しているとのこと。『クライシス』収録曲を中心に前作『ファイブ・マイルズ・アウト』、『QE2』収録曲に加え『チューブラ・ベルス』『オマドーン』の曲など、この時期のベストと思われる選曲。ハウスのバイオリンは主旋律や副旋律を丁寧にプレイ、要所要所でのアクセントなども担っています。「クライシス」「タウラスII」「オマドーンPt1」「TB Pt1」などのプログレ大曲でハウスがプレイしているのは感動です。特に「タウラスII」でのソロ楽器が入れ替わっていく速いパッセージの部分とか、アイリンパイプの代わりにバイオリンでプレイするところ、「クライシス」の前半のハードなパートでのボーカルとの掛け合いなどが聴きどころ。前作『ファイヴ・マイルズ・アウト』のデラックスエディションに含まれていた前年のライブとの比較をすることで、一新されたメンバーによる演奏の違いやフェアライトCMIの導入の効果など興味尽きない内容です。
ディスク4のDVDはそのウエンブリーでの演奏の動画。収録曲は「クライシス」「TB Pt1」のみ、その他の曲も収録して欲しかった。画質が今ひとつですが、ハウスの立ち位置はセンター上段で手前のマイクの真後ろで割と目立っています。ボウイの時と同じように全編通じて弾きまくっていて、主旋律と絡む速いフレーズも涼しげな表情で弾きこなしています。「TB Pt1」での器楽紹介はライリーがしており、ハウスはバイオリンのアドリブをしています。
ライブソースのプロダクションはアトムヘンジレーベルの立役者マーク・パウエルがやっているので、ホークス繋がりとも言えます。オールドフィールドのファンには人気のあるボックスセットで限定数のため中古市場では価格が上がっていることが難点。
2023/01/04 update