Compact Disc
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CHERRY RED - CDBRED924 (2025)
安定したメンバー編成のためか年1作ペースが続いており、この作品ではエレクトロ路線に寄った進化を感じさせます。リリースに伴うスプリングツアーは4月16日から5月26日まで13回実施されました。

デジパック。

内側、ブックレット付属。
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スタジオ作品としては前年(2024年)の『STORIES FROM TIME AND SPACE』に続く新作アルバム。間にライブアルバム『LIVE AT ROYAL ALBERT HALL』を挟んでのリリース。その他にも『宇宙の探究』『ドレミファソラシド』のデラックスセットのリリースなど、リリースラッシュで話題に事欠かない中、4月にリリースした新作。
メンバーは2023年の『ザ・フューチャー・ネヴァー・ウエイツ』以来の5人。デイヴ・ブロック(G/Vo)、リチャード・チャドウィック(Dr/Vo)、マグナス・マーティン(G/Vo)、ティム・ルイス(Key)、ダグ・マッキノン(B)。このメンバーによる最近のホークスの特徴は、マーティンの持ち込んだビートルズ影響下のあるメロディやフォーキーテイスト、ブロックの趣味であるジャージーな嗜好やこのところ顕著に表出しているラウンジ感、ルイスのエクスペリメンタル・ロックで培われたエレクトロ・サウンドなどがブレンドされたもの。長年スペースロックにこだわり続けた長寿バンドでしか醸し出せない雰囲気は重厚で奥行きのあるサウンド。しかしながら、例によって音質は良くなく、特にドラムワウンドの抜けが良くないです。いい加減、音質はなんとかして欲しいです、それだけでもだいぶ評価も上がると思います。
There Is Still Danger There アルバムはシンセベースのシークエンスからスタート、ブロックによる語りは、地球を不毛にしてしまったことを将来悔いている内容で、現代の人類に対する警鐘を表現しています。徐々にリズムがアップしドラムとベース、ディストーションギターによる1コードのリフが始まります。ここはいつも通りのカッコよさ。その後情景が一変しスローパートでリラックした演奏に。ブロック作。
Space Continues (Lifeform) シンセシーケンスが再び始まり、電子音やパッド音が去来します。ブラス系のサウンドがバックで鳴る中、シンセのアドリブが続きます。ルイスの独壇場。サブタイトルは『P.X.R.5』(1978)の「Life Form」に似ていますが、別物です。ブロック、ルイス共作。
The Co-Pilot ブロック作のブルージーなナンバー。アコギによるイントロが印象的、リズムラインはラテン風。電子音が全編背景で鳴り、メロトロンが哀愁感を演出。イコライジング処理された1ボーカルはブロック。終盤シンセシーケンスが目立つようになります。
Changes (Burning Suns and Frozen Waste) 「アンクル・サムズ・オン・マーズ」のようなシンセ・シーケンスに軽快なギターのカッティング、シンセによる主題の提示に続いてブロックのボーカル。反復リフの上でギター&シンセソロ。流麗なドライブ感のある爽やかな曲。
There is No Space For Us タイトルナンバーはブロック作。アコギによる力強いリフ、ミドルテンポの重いビートに乗せて荒廃した地球を歌うブロック。
The Outer Region Of The Universe 一転してリズムレスの中、不覚ディレイを効かせたギターによる深遠な宇宙の描写。ブロックによる語りに続いてマッキノンのベースリフの上でギターのアドリブ。マーティンらしい印象的なナンバー。
Neutron Stars (Pulsating Light) 電子音の乱舞からヘヴィ・リフ。ホークス真骨頂のハードナンバーでブロックのボーカル。飛び交う電子音が強烈。
A Long Long Way From Home ブロックによるオプティミスティックで優しく美しいメロディによるスローナンバー。インストルメンタルですが、終盤のアコピソロ、ギターソロに続いて最後にタイトルをブロックが歌います。
バンドはPROG誌のインタビューで、現在のメンバー間で生まれる創造性や前進するスタンスなど充実した手応えを感じているコメントを全員がしていました。夏場のギグも予定されていますが、次作も早く出来上がりそうです。
・このアルバムの国内仕様盤のレビュー
・このアルバムの2枚組ヴァイナル版のレビュー
2025/05/27 update