Compact Disc
HAWKWIND RECORDS – HAWKVP777CD (2009)
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2009年はホークウィンドの結成40周年、それを記念したギグが所縁の地ノッティングヒル近くのベイズウォーターのポーチェスター・ホールで実施されました。初デビューギグは69年8月29日、オール・セインツ・ホールと言われています。(ミック・スラットリーの話しだとその前にチジック・タウン・ホールでピンク・フロイドのCymbalineを含むジャム演奏をしているそうです。)
その8月29日にちなみ、8月28日と29日にギグが行われました。ステージアクトは2部構成となっており、ゲストアーティストして、ラントンやマシュー・ライト、ボンゾ・ドッグ・バンドのボブ・カーや久しぶりのキャプテン・リズが顔を見せました。ラントンはアコースティック演奏を披露、ブロックがハーモニカで共演。なお、会場ではブロックのバスキング時代の仲間だったエリク・クラプトンからの祝いの電報が読まれたそうです。
このCDは会場で来場者にプレゼントされたグッズセットに含まれていたもので、未発表トラックが含まれた貴重なアイテム。
The WarはWho's Gonna Win The War?のセルフカバーでスタジオテイク。キーボードは故ステュワートでイントロからピアノとストリングスで切なく美しいアレンジで聴かせます。ギターがボーカルラインに絡むようにオブリガード的に入っているところも素晴らしい。ただボーカルがチャドウィックなのがちょっと残念。やはりここはブロックに歌って欲しかったです。間奏のギターソロも秀逸、9分近い演奏で名演。
Ode To A Crystal SetはBROCK CALVERT PROJECTのアウトテイクらしきカルバートの朗読とステュワートのエレピによる小曲。
Spirit Of The AgeはTAKE ME TO YOUR LEADER収録のマシュー・ライトとブロックがボーカルのバージョンと同じトラック。
Starshineは翌年リリースされるBLOOD OF THE EARTHのレギュラー盤に再収録されるインスト。ドラムレスで、シンセやSEをバックにブロックのギターが延々スローなアドリブをプレイするマイナー調の曲。
アーサー・ブラウンのボーカル曲Time And Confusionは、SPACED OUT IN LODONのテイクと同じでイントロの語りをカットしています。
ParadoxはSpirit Of The Age CDシングルやTAKE ME TO YOUR LEADERの輸出仕様に収録されていたテイクと同じ。
Something’s Going OnはブロックのソロSTRANGE TRIPS AND PIPE DREAMSから。
ブレイクのLighthouseは未発表トラック。スタジオテイクでベースラインはあのフレーズで、全体的にスケールアップしたサウンド。リードボーカルはブロックが複数オーバーダブしコーラスのようにしています。ドラムに加えてギターもバッキングで演奏されています。
ライブで演奏されることの多かったSpace Loveのスタジオテイクでこれも未発トラック。ライブテイクはKNIGHTS OF SPACEに収録されていますが、ほぼそれと同じ演奏。
Diana ParkはIN YOUR AREA収録トラックと同じ。何で、またこれ?よほどブロックさん気に入っていたのかな。
エンディングはThe Right To Decide。これも未発トラックでスタジオテイク。威勢の良いプレイはそのままで、ステュワートのオルガンがイントロから被さりドライブ感が増しています。間奏のギターリフがより伸びやかに盛り上げます。2回目の間奏はブロックとブレイクのWソロが唸りつつ、電子音、パッド音が分厚く鳴る中、感動的なギターソロに突入。コーラスが戻りエンディングは終止形で終わります。もともと名曲ですがここはかなりの名演。
未発表トラックの出来が素晴らしいので、今後何かしらの形でリリースされると良いですね。
バンドはスプリングツアーに加えてこのイベントを実施、その後12月にやはり英国内10カ所を廻るツアーを実施。その時にはザ・レヴェラーズのバイオリニスト、ジョン・セヴィンクがゲスト参加しました。
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2018/01/01 update