Compact Disc
OZIT-MORPHEUS - OZIT CD55 (2001)
2000年にニック・ターナー、ヒュー・ロイド・ラントン、テリー・オリス、トーマス・クランブルといった70年代初期メンバーで構成されたバンド。初期ホークスのグタグタなジャム感を持っており、原曲を延々と引き伸ばした上でのアドリブが特徴。同年のホークウインド・リユニオンに向けて、ターナーがオールド・ホークスメンとの邂逅を進めている中で派生したバンド。上記メンバーに加えてキーボードには唯一ホークスメンではないロイド・ジョージという人がDIK MIKの代わりというクレジットで参加しています。前半がウエールズのギグ、後半はバーケンヘッドでのギグを収録したもの。ウエールズの方はオーディエンス収録と思われ音質は悪いです。そしてクレジットと収録内容に齟齬やマスタリングミスがあります。そのためリマスターされた再発盤がリリースされました。CDカバーの曲目クレジットは初回、再発とも同じですが、それぞれ内容と異なっているため、ここでは実際の収録内容を記載しました。
初回盤 Disc One
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初回盤 Disc Two
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再発盤 Disc One
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再発盤 Disc Two
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<初回盤>
Disc One
Sonic Attack 繰り返すギターリフにターナーの朗読を中心としたホークウインドの81年のアルバムSONIC ATTACK収録曲のパターン。後半サックスのフリーキーなソロが炸裂。
You Shouldn't Do That 原曲の反復リフの上でエレキ、サックスのアドリブ演奏が続きます。
Odyssey Improvisation 1stアルバムのParanoiaを思わせるようなジャムですが、キーボードの通奏低音が流れておりややムーディなニュアンスもあり。
Dragon Rider D-Rider。ラントンのブルージーなギターリフを軸にしたアレンジとなっており、別曲のようなアレンジ。ターナーはフルートのアドリブ。
Waiting For Tomorrow ラントン曲、自身がリードボーカル。間奏を長くとりギターやフルートのアドリブを続けています。マスタリングミスで、次のトラックも同じテイクが収録されています。
Master Of The Universe ターナー作のホークウインドの代表曲。ラントンのギター、ターナーのサックスの応酬。
Disc Two
Silver Machine ターナーのリードボーカル、ひとしきり盛り上がった後、リズムレスのアドリブに入って終了すると思いきやまたイントロから始まり、サックスとギターソロが延々続き16分という長さ。演奏後の観客の歓声からアンコールである次曲へ繋がっています。再発盤では観客の歓声部分はカットされてています。
Spirit Of The Age ボーカルレスで、サックスソロが続くアレンジになっています。このアレンジは他ではないので面白いです。
3曲目以降はバーケンヘッドのギグの収録とあり、サウンドボードからのテイクで音質が良くなります。冒頭MCがオリジナル・ホークウインド・リユニオン・バンドと紹介しています。
Sonic Attack ウエールズのテイクに比較してリフがスローテンポ、朗読交えながら全体で15分以上にわたるジャムを繰り広げています。
Odyssey Improvisation 初回盤はホークウインドのデビューアルバムよりBe Your Selfを7分くらい演奏しています。ボーカルはラントン。このメンバーならではの演奏で良いですね。
Psychedelic Warlords ラントンがいるためかズンドコアレンジ。ボーカルはターナーとラントン。
<再発盤> 初回盤の長いトラックの後半をカットしたり、初回盤に含まれていないテイクも結構あります。差分を記載します。
Disc One
Dragon Riderまでは初回盤と同じ。
Brainstorm イントロ長め、やはり間奏を引き伸ばしアドリブが続く演奏。
Master Of The Universe 初回盤の16分に対して10分でカットされています。
Children Of The Sun 初回盤に含まれていないテイク。ターナー作、IN SEARCH OF SAPCE収録曲。ホークスはほとんど演奏しないので貴重なテイク。ターナーはフルートをプレイしいい雰囲気。
Disc Two
Silver Machine 初回盤と同じテイクですが、初回盤に長々と入っていたエンディング後のアンコールにつながる歓声部分はカット。
Sonic Attack 終盤、初回盤17分に対して15分30秒でフェードアウト。
Odyssey Improvisation 再発盤は初回盤とは別テイクの10分強のジャム。朗読っぽいボーカルはラントンか、You Shouldn't Do Thatのような反復ビートで突き進みますが、なかなかカッコいいテイク。
Brainstorm これも初回盤に含まれていないテイク。Disc Oneのウエールズ・テイクよりこちらのバーケンヘッド・テイクの方が音質が良いのでより楽しめます。13分過ぎでフェードアウト。
雑な編集だったり、オーディエンステイクが含まれていたりと質は高くないですが、この編成での演奏は貴重ということと、初期ホークスのジャム感が楽しめるという点で面白いアルバム。
ニック・ターナー・ディスコグラフィ
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2020/02/26 update