ホークウィンド・デイズ・コラム
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2018年12月21日
Lucciole Per Sempre - 永遠のルシオール （国内仕様 DiskUnion DUPG232）
イタリアンロックの名バンド、ロカンダ・デッレ・ファーテのコンピレーションがリリースされました。ロカンダはとても好きなバンドですが、それとともに時折思い出すのは、モダ〜ンミュージックの生悦住さん（昨年逝去されました）です。
77年にリリースされたっきりで忘れ去られそうになった1枚のアルバム。しかしその実、確かなテクニックに支えられた豊穣な情感と情熱が溢れるイタリアンロックが詰まっていて、80年代日本でのプログレ発掘の一環として国内盤がリリースされ、多くのプログレファンに知れ渡ることになりました。
ポリドールから発売された初回の国内盤。
管理人もその素晴らしさに触れ、気に入ったレコードは原盤を入手するという趣味があるので、オリジナルのイタリア盤も入手しました。そこがモダ〜ンミュージックでした。
80年代初頭頃から90年代初頭頃でしょうか、中古レコードの相場がかなり下がっていた時期で、バイトしながらホークス以外にユーロプログレのオリジナル盤を買い漁っていました。あの頃毎週足繁く通った「モダ〜ンミュージック」は本当に宝箱のようなお店でした。ホークスのアルバムもかなりここで入手しました。生悦住さんはお金のない学生に優しく、お願いするといつまでも取り置きしてくれたので、欲しいレコードを見つけると取り置きお願いし、バイトでお金を貯めてから受け取りに行くというルーティンを繰り返していました。貯めたお金を払い、レコードをニコの刷られたショッパーズに入れて渡してくれる時、よく「お待たせしました」って優しく言ってくれました。ロカンダのイタリア原盤もそのようにして入手させていただきました。90年代になるとプログレの在庫が少なくなり徐々に足が遠のいてしまいましたが、生悦住さんにはとてもお世話になった思いがあり、昨年逝去されたとのことでとても悲しいです。
イタリア原盤。
復活ロカンダの来日はチッタが招聘、日本では人気が高いバンドなのに、公演は1日だけでした。まさか本物を日本で観れるとは、生きていて良かったと、あの公演に来ていた誰もがそう思っていたと思います。会場ではチッタお得意のサイン会はなかったのですが、想いが通じたかのようにサイン色紙の抽選に当たりました。
その後復活ライブを収めたLIVE IN BLOOMをリリース。
しかしながら2017年にフェアウェルコンサートとして解散記念ツアーを実施しました。そこには復活ロカンダには不参加だった鍵盤のミケーレ・コンタやリードギタリストのエツィオ・ヴェヴェイ、フルート＆ギターのアルベルト・ガヴィーリョも参加したそうです。解散はしたようですが、今回は2016年の新録テイク2曲にYoutubeでも観られたTV番組出演時の演奏、74年という黎明期の習作（ジェントル・ジャイアントやPFMのカバー）を収録しています。私が大好きなThink Of Me With Kindnessをカバーしていたのは嬉しいです。綴じ込みのブックレットには、ルチアーノ・ボエロによる回想録が記載されていて、バンドの成り立ちや楽曲の制作過程が語られていて、実に興味深いです。作曲の要はやはりピアノのミケーレ・コンタだったようです。その他にもボーカルのレオナルド・サッソはバンコのフランチェスコ・ジャコモとすごく仲が良くて、バンコのメンバーの食事にロカンダのメンバーが招待されたとか、購入決定になったハモンドB3をジミー・スミスがプレイしたとか、逸話もあります。対訳の付いている国内仕様版がオススメです。しかし新録テイクを聴くとまだまだいけると思うのですが、、残念です。
でも今年、ミケーレ・コンタはなんとギャヴィン・ハリソンとレコーディングを行いYoutubeで公開しています。ロカンダには戻らなかったコンタは独自の歩みを続けているようです。曲はあのロカンダのピアノを彷彿させるもので、今後に期待です。
2018/12/21 update