Analog Disc / Compact Disc
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【LP】CASTLE COMMUNICATIONS - ESDLP 196 (1993)
【CD】CASTLE COMMUNICATIONS - ESSCD 196 (1993)

見開きジャケ。インナー無し。

内ジャケはCDのブックレットと同じ。CDのブックレットの方が1枚写真が多いです。


Side 1
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7、8月に前作『ELECTRIC TEPEE』(1992)同様3人によりレコーディングが行われ、10月にCASTLEよりリリース。クレジットにはスタジオはBarking Dog Studiosとされていますが、Side 2の曲名に引っ掛けていて、実際はデボンのブロック宅スタジオ。CD時代に突入しているため収録時間が長く、LPでは前作同様2枚組となっています。
音の傾向はシンセを多用したマルチトラックでの厚いサウンドが全体を支配しています。ブロックとデイヴィのシンセにチャドウィックのパーカッションが絡み呪術的な反復フレーズが印象的。引き続き現実的な社会問題も取り上げ、Side 2では曲タイトルになっているように中国のチベット侵略に対しての批判をしています。これはのちのTibet Supportへの支援活動に繋がっていきます。またネイティヴなリズムへの傾倒が進行。そしてレゲエのテイストまで取り入れています。
It Is The Business Of The Future To Be Dangerous なんとも長いタイトルですが世界で起きていることが未来への危険な布石であることを警鐘しています。このスタンスはその先もずっとブロックがテーマとして訴求していきます。不安感を煽る衝撃的なテンション音から始まり、トライバルなリズムが延々と続きます。コーラス系パッド音がやはり不穏なニュアンスを醸します。3人の共作。
Space Is Their (Palestine) 前曲同様一定のリズムが延々と続き、パーカッションのアドリブや効果音が流れます。アラビアンなフレーズのリピートは同時期リリースのシングル「DECIDE YOUR「FUTURE E.P.」の「Assassins (Magic Carpet Mix)」と同じで、この曲のリミックスだということが判明。12分に及ぶ長尺曲。ブロック作。この曲は以降、「Assassins Of Alah」(「Hassan I Sahba」の改題)の中間パートとして定着します。
Tibet Is Not China (Part1) デイヴィ作。瞑想的なシンセの和声が流れ、チベット仏教のお経のようなSEが流れます。
Tibet Is Not China (Part2) シンセベースの反復音とともにギターとベース、ドラムによるロックが開始。やっとロックっぽくなってきますが、インスト。3人の共作。
Let Barking Dogs Lie アップテンポのシンセベースにドラム、効果音、電子音などが続き、ブロックのギターによるアドリブ。インスト。
ここまでLP1枚目ですが、一切ボーカル曲がありません。この作品の独自性が感じられます。
Wave Upon Wave 冷ややかなストリングスに重厚な響きの低音ノイズ。神秘的な曲。デイヴィ作。
Letting In The Past ようやくいつものブロックのボーカル。曲は『チャーチ・オブ・ホークウインド』(1981)の「Looking In The Future」のセルフカバー。歌詞は元々、『絶体絶命』の「Assault & Battery」ですね。
The Camera That Could Lie バックのシンセがレゲエ風のバッキング。ボーカルラインもレゲエを意識したもの。のちのラッパー系アーティスト、キャプテン・リズ加入への布石となっています。この曲の歌詞は『ソニック・アタック』(1981)収録の「Living On A Knife Edge」です。ブロック作。
3 Or 4 Erections In The Course Of A Night ドラムとシンセによるフリーフォームな小曲。ブロック、デイヴィ共作。
Techno Tropic Zone Exists オケの弦楽セクションのサンプリング音が短く刻まれ、それにドラムは合わせてリズムを叩き、ブロックのセリフが続きます。オルタナ系の実験的要素が強いです。ブロック作。
Gimme Shelter 同年チャリティ企画でリリースしたこの曲、サマンサ・フォックス抜きとなっています。
Avante エンディングらしいゆったりしたストリングスのコード進行で始まりますが、走るドラムのリズムが入り、ノイズが駆け回り電子音のみのインプロに変化。不穏な印象を残します。
全体にエレクトロニクスな肌合いが強く、政治的なメッセージを色濃くした作品です。ポップな楽曲は含まれずシリアスな作りのためか、印象が薄いですが、このような作品も作れる地に足のついたバンドということが言えると思います。
このようにホークスにしては異色感の強い作風でしたが、チャートインし75位。リリースに伴ってUKツアー及びヨーロッパ・ツアーを11、12月に実施しました。ここでライヴ録音が行われ、翌年『ザ・ビジネス・トリップ』(1994)としてリリースされます。
・ATOMHENGEリマスター盤(2012)のレビュー
・EXILESさんのレビュー
・この時期のライブ作品『ザ・ビジネス・トリップ』(1994)のレビュー
オリジナルUK盤&日本盤ディスコグラフィ 1991-1995
2025/12/12 update