Compact Disc
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BLACK WIDOW - BWR CD 236-2 (2021)
現在は実施されていないストーンヘンジ・フリーフェスティバル。72年から84年まで行われたLOVE & PEACEの祭典で夏至に合わせて毎年実施されていました。ホークウインドは77年、81年、82年、83年に続き5度目の出演。フェスではメインアクトとして、フェスを象徴するバンドとして欠かせない存在になっていました。またこの84年は過去最大の3万人を動員。フェスは翌年「豆畑の戦い」と称される当局による弾圧によって終了させられました。
この84年の様子は過去にビデオテープ、DVDで発売されていましたが、この作品では追加トラックが加えられました。他に2LPセット、2CD/DVD/2LPセットのフォーマットでもリリースされました。
2CD/1DVD、デジパック、ブックレット。透明プラスティックシートにドルイドの姿を白プリント。
4面開き。
CD 1
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CD 2
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DVD
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今回初CD化ですが、音声は当時ビデオ用に作られたものなのでモノラルですが、音質は劇的に向上しています。CDとDVDの内容は全く同じです。よってDVDの音質も同様に向上しています。前回のCHERRY REDのDVDリリース時に対して新たに追加されたトラックはMasters Of The Universe、Spirit Of The Ageの2曲です。作曲者のターナー参加のMasters、翌日の夏至の朝演奏されるSpiritもターナーのリードボーカルなのは珍しいですね。そのほか、細かいところでは、曲間の様子のカットも増えているようです。
改めて各曲見てみましょう。音質が向上したことで、かなり明瞭に聴き取れるようになりました。映像が不明瞭で音声も良くなかったので、あまり正確な評価が出せなかったのですが、今回これを聞くことでしっかりした演奏だったことがわかります。映像の悪さに惑わされて演奏もヨレヨレの印象がありましたが、そんなことは全くなかったです。
このステージはデイヴィ、トンプソンが初めて参加したギグ、ベインブリッジは突然キーボードに変更させられた、という状況でした。のちに、本当にいきなり転身させられて、最初は鍵盤奏者じゃないと断ったそうですが、このギグでは頑張って対応していると思いました。その後はシンセプレーヤーになりましたので、結果的に転機になったギグでした。
Ghost Dance アフリカンっぽいリズムに乗せてブロックの呪文のようなボイス、ラントンのアドリブなどが流れていき、ひたすら繰り返すことでトランス感が高まります。ステージでは白装束のドルイドを模した女性ダンサーが着物を着たターナーの周りを回っています。ギターのアルペジオでおもむろに終了。
Angels Of Death 定番曲、ブロックのリードボーカル。リズムがしっかりしているので、演奏は締まっています。
Born To Go カウントダウンから開始。ややコンパクトにまとめた感じ。
Watching The Grass Grow ICU曲、この時期はレパートリー化してました。ターナーのリードボーカル。中間部のリフなどライブ映えする曲で破壊力増してます。
Night Of The Hawks シンセ音が鳴る中、当時の新曲、ブロックらしいかっこいい曲。
Utopia ターナーの朗読。すぐに次曲になります。
Social Alliance 続いてブロックのリードボーカルによる、この曲。中間でサックスソロをフューチャー。
Motorway City 浮遊感のあるシンセが原曲のムードを醸しています。いい演奏なんですがフェードアウト。
Masters Of The Universe ブロックのリズムギターにラントンのリードギターというこの頃定番のアレンジ。
Ejection カルバート曲、前曲のブレイクに続いて切れ目なく演奏されます。ターナーとデイヴィのリードボーカル。そのままメドレー形式でUncle Sam's On Marsに突入。ブロックがリードボーカル。この辺りはノリの良い演奏が続きます。Uncle Samの中間部ターナーとブロックの掛け合いもいい感じです。仲の良かったころの一幕で感慨深いです。
Brainstorm 前回リリース時にイントロが始まって一旦途切れるところがありましたが、ここでもそこは変わらず。途中切れるのはビデオテープの入れ替えかもですね。中間のラントンのアドリブパートから続きが始まります。
Sonic Attack ターナーの朗読の定番ナンバー。ブロックとベインブリッジのノイズにラントンのミュート奏法中心のアドリブ。
The Right Stuff ブロックのカッティングが入って、ノリの良いカルバート曲はブロックのリードボーカル。ここまでで前夜のステージは終了。
Dawn 夏至当日、日の出を待ちながらシンセシーケンスをバックに儀式のようなパントマイムをしながら流れる瞑想的な曲。あまりに長いためか、途中でカットされていますが、前回のDVDよりは長く収録されています。シーケンサーをバックにターナーのサックスアドリブが続きます。ブロックとベインブリッジがシンセを操作。これはもうロックバンドの演奏というよりは儀式そのもの。かなり長い時間、夏至の祭典を再現しているかのようです。こんなことはホークスにしかできないですね、やはり最後はフェードアウトしてしまいます。
Spirit Of The Age フェードイン。早朝に演奏されるSpirit Of The age、ターナーがサックスをかぶせています。この朝の演奏にラントンは加わっていません。
Stonehenge Decoded 全曲にかぶる感じでシンセシーケンス。サックスソロが続き、やはりフェードアウト。
DVDについて。元々は当時のビデオのアスペクト比4:3で収録されています。今回リマスタリングするにあたって現在の16:9に変更されています。各カットは上下がカットされた映像になり、拡大表示されるので、より荒っぽい画面になっています。ぱっと見の画質は以前CHERRY REDからリリースされたDVDの方がマシな感じです。とはいえ、全体の収録時間が増え、あまり映っていなかったラントン、トンプソンも結構観ることができます。全体に暗く、画質が良くないので、手元の演奏状況まではわかりませんが、このフェス特有の儀式めいたステージの様子が知ることができるビデオではあるので、ファンは必見かと思います。
ライセンスはCHERRY REDからのもの。
・この作品の限定セットのレビュー。
・以前リリースされたビデオ/DVDのレビュー。
・ロイ・ハーパーやジ・エニドなどの演奏も収録しているフェスのダイジェストビデオ。
・フェスのダイジェストにドキュメンタリーを加えたDVD。
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2021/07/11 update