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NEU!
ホークウインドとジャーマンロック

2019年7月6日

NEU! - United Artists
NEU!
United Artists - UAS 29396

ドイツのエクスペリメンタル・ロックのノイ!、72年の歴史に残るデビューアルバム。真っ白なカバーに鮮烈なNEU!というタイトルが書かれた独オリジナル盤(Brain metronome- brain1004)に対して、色が反転されタイトルも小さくなっている英United Artists盤。英国で発売するにあたり、ホークスファン周知の通りホークウインドのデイヴ・ブロックがカバー裏に寄稿しています。
72年といえばホークスは前年の「宇宙の探求」のヒットを足がかりに全国ツアー、レミーの参加、「シルバー・マシーン」の大ヒットなどでブレイクした年。United Artistsは早くから注目に値するジャーマン勢、AMON DÜÜL II、CANをイギリスでリリースしており、ホークウインドにはAMON DÜÜL IIのデイヴ・アンダーソンが参加するなど何かとジャーマンロックとの接点はあったかと思われます。ブロックの文章は、クラフトワークから離脱したクラウス・ディンガーとミハエル・ローターがノイ!(英語でnew)を結成したこと。そのコンセプトやドイツでこのアルバムが成功したことを紹介しています。

裏ジャケのデイヴ・ブロックの署名。
NEU! - United Artists

ホークウインドのスタイルである執拗なリフは、ジャーマンロック勢に顕著な反復するミニマルミュージックと音楽的共通点があり、この時代特有のジャンク感、ガレージ感も共有されているので、私はアモンデュール II、カン、ファウストなども好きです。もちろん、エレクトリック勢のタンジェリン、シュルツ、アシュラなどもですが。ジャーマンロックのこの時代の奇跡は他のヨーロッパ諸国とは一線を画す実験性とジャンク性の賜物かと思います。
71年に収録されたこのアルバム、エンジニアはコニー・プランク。オープナーの「ハロガロ」でのアパッチビート、ノイズを使った実験的なトラックなど後世に多大な影響を与えています。このあたりのアルバムもLPで購入していたので、今もそのままアナログ盤として所有してます。

国内盤は77年にテイチクよりリリース。カバーは独オリジナル盤のデザイン。日本では3番目にリリースされたので「III」という表記に。
NEU! - Teichiku

なお、後年ディンガーのプロジェクト、ラ・デュッセルドルフのファーストアルバムの国内盤で、かの北村昌士氏(当時のプログレ誌Fool's Mate編集長)がこのアルバムのブロックの文章一部を紹介していました。

La Dusseldorf - King

ノイ!の国内盤はテイチクより3rdアルバム、2ndアルバム、デビューアルバムという逆順でリリース、その順にタイトルがナンバリングされています。

NEU! - Teuchiku


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