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HURRY ON SUNDOWN / MIRROR OF ILLUSION

LIBERTY / U.A. - LBF 15382 (1970)

Hawkwind Hurry On Sundown Promo EP
DEMO(プロモ)盤。ホークウインドのプロデビュー最初期の記念すべきプレス。マトリクスは通常盤と同じA-1/B-1。発売日は1970年7月26日とされています。しかしレーベルにはリリース日70年7月31日と刷られています。また過去見たことのある全てのDEMO盤に手書きで7/8と書かれていることから、おそらく8月7日のリリースの可能性もあります。
Hawkwind Hurry On Sundown EP solid label Hawkwind Hurry On Sundown EP push out label
LIBERTYのスリーブに収められています。私の所有しているのは青と黒のスリーブがあります。レーベルセンターはソリッドセンターとプッシュアウトがあります。この後にリリースされる1stアルバムもブルーレーベルは比較的希少ですが、このシングル盤はそれ以上に少ないようです。
Hawkwind Hurry On Sundown EP label

記念すべきデビューシングルです。時は1970年7月。50年代末からバスカー(ストリートミュージシャン)や、ジャズバンド、ブルーズバンドなどで活動していたデイヴ・ブロックが結成したTHE FAMOUS CUREが69年に解散、そのバンドメイトのミック・スラットリーと新しいバンドを構想し69年にメンバーを集めました。60年代のブロックのバンドDHARMA BLUES BANDやTHE FAMOUS CURE時のテイクはのちにDAWN OF HAWKWINDというコンピレーションでうかがい知ることができます。 ベースはジャズバンドにいたジョン・ハリソンをスカウト。ドラマーはメロディ・メイカー紙でリクルートした17歳のテリー・オリスを採用、バンドが始動。そこにブロックが67年にオランダでバスキング中知り合ったニック・ターナーを招き、ターナーやスラットリーの知り合いで、ブロックの幼なじみでもあったディクミクを電子音奏者に。この二人の参加がバンドサウンドに大きな変革をもたらしました。
バンド名が決まらないままGROUP Xと称して活動開始。8月にノッティングヒルのオールセインツホールで実施されたギグでハイタイドの演奏後、その機材を借りて20分の演奏を行います。それを見たラジオDJのジョン・ピールが、ハイタイド、スキン・アレイなどのマネジメントをしているダグラス・スミスに「すごいバンドだ。契約すべきだ」と薦めました。バンドはノッティングヒルやポートベロを拠点とし、フリーコンサートなどを行っていました。2ヶ月後の10月にスミスのクリアウォータープロダクションと契約。バンド名は、ニック・ターナーの咳払いがあまりにやかましいので、それをHAWKWINDと呼んだことからHAWKWIND ZOOという名に。 そこでレコード会社と契約するためにデモテイクを収録。この頃のテイクはのちにリリースされました。バンド名について、ジョン・ピールが「ZOOはいらないよ」とスミスに進言。シンプルにHAWKWINDという名前に着地。同年11月ユナイテッド・アーティスツ・レコードと契約。

Hurry On Sundownの作曲はデイヴ・ブロック、ホークスのリーダーとして、ここから現在に至るまで唯一継続してバンドに在籍、そしてバンドを率いてきた男。彼の音楽性のルーツ、ブルースやフォークの素養が感じられる曲調。ポップな趣向でアレンジされてるのは、ダグ・スミスの指示によりレコード会社と契約を成立させやすくするための手段だったということです。 プロデュースは、あのプリティ・シングスのディック・テイラー。スミスはスキン・アレイなどのプロデュースをテイラーに依頼していたので、ホークスにもテイラーを引き合わせたことは、自然な流れだと思います。ガレージやパンクの元祖と言われるプリティ・シングスの血統がホークウインドに継がれていったかのような出会いであり、その後ビヴ・プリンスやトゥインクがホークウインドのステージに客演するのも縁かと思います。70年3月にロンドンのトライデントスタジオで収録。
B面は一転してサイケな曲でホークス独自のサウンドがすでに開花していたと感じられる重要な曲。共に1stアルバム HAWKWIND に収録されたものと同じ演奏ですが、このシングルはモノラル・バージョンで、LPの方はステレオ・バージョンです。
レコーディング前にはギタリストのミック・スラットリーが脱退、ヒュー・ロイド・ラントンにチェンジしています。このシングル収録時のメンバーはデイヴ・ブロック(Vo/G)、ニック・ターナー(Sax/Flute)、ヒュー・ロイド・ラントン(LeadG)、ジョン・ハリソン(B)、テリー・オリス(Dr)、ディック・ミック(正式名リチャード・マイケル・デイヴィス AudioGenerator)。当時プレスのアナログ盤に針を落とすと、その当時の空気感が感じ取れるような錯覚を覚えます、これがアナログ盤の魅力かもしれません。


関連情報

・HAWKWIND ZOOのHURRY ON SUNDOWN 12inchのレビュー
・HAWKWIND 1stアルバムのレビュー

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2020/03/15 update


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