Compact Disc
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GRIFFIN MUSIC - CGD 740-2 (1998)
98年の暮れにUSのレーベルGRIFFIN MUSICからリリースされた公式アルバム。それまでのレーベルEBSが終了したため、場つなぎ的にGRIFFINとなったようです。その後VOICEPRINT傘下のHAWKWIND RECORDSからのリリースを始めます。作品はライブテイクとスタジオテイクで構成されたもの。

ジュエルケース。ブックレット付き。

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98年はホークスにとって活動が停滞したかのような年でした。オーストラリアを始めとするいくつかのツアーが計画されましたが全てキャンセルされてしまい、事実上USAのSTRANGE DAZE 98の参加のみでした。トロントを経由した際にデイヴ・ブロックとロン・トゥリーが入国審査で引っかかり、入国できず二人は不参加。過去の履歴が影響したとのこと。残りのメンバーでステージは行うことに。この時のメンバーはリチャード・チャドウィック、ジェリー・リチャーズ、リズ。代わりのミュージシャンはUSで急遽リクルート、ベースはスティーヴ・テイラー、キーボードはスティーヴ・ヘイズという人が代役を務めました。
そんな98年の暮れ、92年頃からホークスの北米ディストリビュートを行っていたGRIFFIN MUSICより、新作『IN YOUR AREA』がリリースされました。オリジナルのレギュラーアルバムがUK以外の国で発売されたのはホークス史上初めてのことでした。
アルバム前半は97年秋のツアー最終日、11月20日ベルギー、ブリュッセルのライブ・テイク。後半は98年夏から秋にかけて収録されたスタジオ・テイクで構成されています。
ライブのメンバーはブロック(G/Vo/Key)、チャドウィック(Dr)、リチャーズ(G)、ロン(B/Vo)、リズ(Vo)に加えて、クラム(ジュリアン・クラミンズ)(Key)。彼はブロックのサイド・プロジェクトAGENTS OF CHAOSにリチャーズと共に参加していました。
最近の曲に加え旧曲も演奏されています。
Brainstorm / Hawkwind In Your Area トランペットのようなファンファーレで開始するのは疾走感満載の定番曲。ボーカルはトゥリー。復活したツインギターによるハードな演奏。ギターソロのバックのベースパターンは「Levitation」を彷彿させます。ひとしきり盛り上がったのち、ペースダウンし『IT IS THE BUSINESS OF THE FUTURE...』(1993)のレゲエ「The Camera That Could Lie」のバッキングに変化。歌詞内容はリズによって大きく変更され、アルバム・タイトルにもなったHawkwind in your area(ホークウインドが君を魅了する)Hawkwind on your land(ホークウインドが君の国に降り立つよ)さあジャンプして、叫んで、回り踊れ!というポジティブな呼びかけになっています。『ディスタント・ホライゾンズ』での地球への回帰、ネイティブなエネルギーへの着目がリズのラップに繋がっていくという流れを感じます。終盤はBrainstormに戻ります。ブロック、トゥリー、リチャーズのバックコーラスにリズが加わることで一層厚くなってるところがいいですね。
Alchemy 『ディスタント・ホライゾンズ』(1997)に収録されていたリチャーズ、チャドウィック共作の変則リフのインスト。ライブならではの迫力さが増しています。変調したボイスはリズか。
Love In Space ブロックのバラードでここでもドリーミーな美しさ。すぐに「Rat Race」へ切り替わりますが、ここは元々Love In Spaceの中間パートで、そこにリズが歌詞を加え歌われます。この激しさは『LOVE IN SPACE』(1996)の同曲よりさらにパワフル。「Love In Space」のAメロに戻ります。やはりここのバックコーラスも分厚くで素晴らしい...と思っていたら次曲に。
Aerospace-Age Inferno ロバート・カルバートのソロ曲で、この曲ホークスが取り上げたのは初めてかも。スピード感満点の演奏。ボーカルはトゥリー。以上がライブテイクで、この時期のライブが伺い知れるもの。なお、同時期のライブはバンド直販の限定盤『HAWKWIND 1997』(1999)というアルバムでも聴くことができました。
スタジオテイクの各曲はブロックの農場スタジオで収録されたようです。ここではブロックのワンマン曲とチャドウィック、ロン、リチャーズ、リズが加わって作られたバンド曲などバラエティに富んだ曲構成。
DISTANT HORIZONS 同様、宇宙というよりは地球指向というかレゲエやネイティヴなリズムも見え隠れしています。
First Landing On Medusa 同題曲が『WEIRD 107』に収録されていましたが、歌詞曲共に異なります。ここでの歌詞は『宇宙の祭典』(1973)の「The Awakening」がベースで、その他「Over The Top」(SONIC ASSASINS)で使われやりと、多用されています。シンセのパッド音をバックにブロックの語り。ネイティブなリズムが使用されています。
I Am The Reptoid 『ディスタント・ホライゾンズ』の「Reptoid Vision」の中間部をリアレンジしたトラック。不安感を煽るリフや、ノイズをバックにリズやトゥリーの変調をかけた語り。ブロック、リチャーズ、チャドウィック、トゥリー共作。
The Nazca 前曲を引き継いだ短いセクション。ブロック作。
Hippy 少しエキゾチックな印象のあるミドルテンポのロック。上り詰めていくようなメロディ、サイケ感が色濃くホークスの新機軸を感じます。リチャーズ、チャドウィック、トゥリーの共作。いい曲だと思います。
Prairie リチャーズの安定したギタープレイ、滑らかなギターの音色が美しくセンチメンタルな小曲。前曲と同じ3人の共作。
Your Fantasy スペイシーなフェイズ・ストリングスのイントロからオルガンのコード進行が続き、デジタルシンセのリフが始まると、リズのラップが始まります。呼応するようにトゥリーのボーカルも入ります。メンバー全員5人の共作。
Luxotica 逆再生によるギタープレイを駆使した曲。エスニカルなリズムをバックに淡々と演奏。ブロック、リチャーズ、チャドウィック、トゥリーの共作。
Diana Park ブロック作のラテン系リズムをバックにブルージーなギターソロが続く感傷的なインストナンバー。
後半は断片的な曲が集められているような印象があります。ライブテイクとスタジオテイクをセットにしているので、統一感はなくなってしまいますね。

【Hawkwind 1997】L to R: Dave Brock / Ron Tree / Richard Chadwick / Jerry Richards

Captain Rizz
このアルバムの制作された98年は前述しましたように、翌年の結成30周年に向けエネルギーを蓄えていたかのような静かな年でした。翌99年は大量リリース中心に大きく再始動します。
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2025/07/19 update